心構えが行動を変える
今、学年末テスト1ヶ月前だとしましょう。
2人の中学生AさんとBさんがいます。
これから1ヶ月間、同じ時間に同じ単元を学習したとします。
しかし、Aさんはテストで自己ベストを更新しましたがBさんは前回とほぼ変わらない結果に終わりました。
こんなことはないと思われるかもしれませんが、起こりうる事例です。
Aさんは、今度の学年末テストで何がなんでも自己ベストを出したいと思い、積極的に学習しました。
わからないところは学校の先生や塾の先生に質問し、学校ワークを何度も反復し、一通りは解けるように仕上げました。
一方のBさんは、勉強に乗り気ではなかったのですが、お母さんに「勉強しなさい!」と口うるさく言われ、乗り気ではないものの仕方がなくAさんと同じ時間に同じ単元を学習することにしました。
乗り気ではないですから、問題はとりあえず解きっぱなしで丸つけはしません。わからない問題があっても質問することが面倒ですからそのままにしていました。
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2人の事例を挙げましたが、同じ時間だけ学習したとしてもこれだけ学習の質が変われば学習効果にも影響が出てきます。
この2人の何が違うのでしょうか?
もちろん、勉強方法が違います。
Bさんの勉強方法はいい加減ですね。
では、BさんにAさんのような勉強方法を伝えたところで、学校ワークをできるまで反復し、わからない問題を学校や塾の先生に質問しに行くでしょうか。
結局、Bさん本人が「何がなんでも勉強ができるようになりたい!」と強く望まなければ、勉強方法は変わらないのです。
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親が「勉強しなさ〜い!!」と言ったときに、「うるせぇ!!」と反抗するならまだ救いようがあります。自分の意思表示をしていますから。
しかし、「勉強しなさ〜い!!」に対して、「はい。わかりました。」と言いながらイヤイヤ机に向かう状況であれば、学習効果が表れない現状の原因を突き止めるのが難しいでしょう。見た目は一生懸命に勉強しているのですが、「心ここに在らず」です。もちろん、結果は出ません。
学習に対する心の姿勢、つまり心構えを整えることが学力向上への近道です。本人の学習への考え方を変えることが大切です。
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学習への考え方を変えるには、2つのアプローチが必要です。
1つ目は、学習分野での明確な目標を持つことです。
次のテストでの目標点数や学年順位、志望校などです。
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もう1つは、自分自身の力に自信を持つことです。
「俺も私もできる!」
「挑戦してみよう!」
というものです。
学習塾に通うと、同い年の子で一生懸命勉強に取り組み、結果を出している子たちと勉強を共にします。小学校時代から学習を積み重ねて高い学力を持っている子もいますが、途中から頑張り始めて劇的に成績を伸ばす子もいます。
そのような子たちの変化を身近で直に見ながら、「自分も挑戦してみよう!」と思えるのです。
「勉強しなさい!!!」一辺倒で勉強するようにはなりません。
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学習への心構えを構築するには、時間がかかります。
しかし、いつも触れている環境と適切な習慣によって変えることができるのです。