私の志善なりや 私心なかりしか
連休の夜はこれを読んでいる。
今は、龍馬が亀山社中時代に船を失い
海援隊となって蒸気船いろは丸を手に入れた矢先
紀伊藩の大型船と衝突して沈没してしまうくだりを読んでいる。
八方塞がりの状況においても
志を貫き通す龍馬の生き様が私の胸に迫ってくる。
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北野立志塾の教育理念は
「生徒の夢実現のために
潜在能力を最大限に引き出し
人格を磨く場を提供する」
教育ビジョンは
「自分自身を動機づけすることができ
社会に、価値創造できるキーパーソンを輩出する」
AIが発達するこの先の時代において
自ら問題意識を持ち
問題解決に取り組む積極的で柔軟な対応のできる人財に育てなければ
世の中では活躍できない。
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しかし、数年前に保護者の方で
「先生、うちの子の学力を高めるために
どのようなシステムで対応してくれるのですか??」
と詰め寄ってくるような方がいた。
学力を伸ばすための第一歩として中学生ならば
・英単語テスト
・社会一問一答
・数学反復テスト(講習会中実施)
これらを行なっているし
小学生ならば、漢字トライアルとかめドリルを行なっている。
「小テストへの取り組み方で悩んでいます…」とおっしゃるのならわかるが
いつも合格していない小テストの結果などに触れず
いきなりシステム的な部分のお話をされたから驚いた。
我が子の成績を伸ばしたいのなら
これらのことを100%取り組んでクリアした上で、
それでも塾の学習アプローチに不満があるならおっしゃっていただきたい
私のスタンスはこのようなところだ。
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保護者の方からご覧になれば
「授業料を支払っているのに、高飛車もいいところだ」
と思われる方もおられるだろう。
この点について、日々私は
「動機善なりや 私心なかりしか」と自問自答する。
京セラ創業者の稲盛和夫氏のお言葉だ。
ここで、考えなければならないのは学習塾のサービスとは何か?ということだ。
ホテルやレストランのように、至れり尽くせりお膳立てすることだろうか?
「今日はテキストの●〜●ページを取り組むように」
「明日はテキストを学習する前にこのプリントを取り組むように」
「テスト前は、この予想問題を取り組むと必ず点数をゲットできるよ」
確かに美味しい話だ。
お金で我が子の成績がすぐに伸びるのならば飛びつきたくなるのも無理ない。
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もちろん、私もそのように生徒に対応した時期があった。
北野立志塾を開業して間もない頃もそうだった。
しかし
高校に入ってから学校のペースについていくのが辛くなるのだ。
中学校時代は塾の先生の言いなりになって取り組んでいればよかったが
高校に行ったら、学校の先生はそんなに親切に対応してくれないし
それぞれの高校の進度に合わせてくれる学習塾なんてないのだ。
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結局、中学生たちに与えなければならないのは指示ではない。
なぜ勉強をしたいのか?する必要があるのか?という動機を考えさせる環境
頑張れば自分自身も成長することができることを気づかせてくれる環境
これに尽きる。
人は考えなければ育たない。
至れり尽くせりの環境の中では、人は考えなくなってしまう。
工夫する力が育たないのだ。
指示ばかり与えていたのでは指示待ち人間になってしまう。
指示ばかり与えていたのでは子どもの精神をスポイルしてしまう。
精神をスポイルされてしまった子にモチベーショントークをしても響かない。
逆に厳しく言っても響かない。
「嬉しい!」「悔しい!」「自分は勉強できるようになりたい!」
そのような感情が見えてこなくなってしまう。
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私は、その子の願望にアプローチしたい。
いや、その子が自分の願望を見つめられるようにアプローチしたいのだ。
願望が持てていない子にはなおさら時間をかけて待ちたい。
待つことも愛情
自分の内から湧いてくる願望こそ
その子の強い強いモチベーションにつながるのだ。
そして
自分の願望を見つめる訓練をすると
将来からの逆算思考ができるようになる。
「将来、医者になりたい」
「将来、札幌月寒高校に行きたい」
なんだっていいのだ。
将来からの逆算思考ができるようになったら
1ヶ月後の定期テストでは「420点はとっておきたい」みたいな具体的な目標が見えてくる。
自分の願望を直視したときに、自分に足りない点、問題点が見える。
願望を何が何でも手に入れたければ自分で問題点を考えるだろう。
もちろん、私も面談等で願望を共有し方法論をアドバイスする。
願望(目標)が先なのだ。
これが、北野立志塾の教育システムだ。
これが、北野立志塾の教育サービスだ。
何も、至れり尽くせりのホスピタリティばかりがサービスではない。
人の体力を育てるスポーツクラブだって、思いっきり厳しく鍛えられるだろう。
人の学力を育てる学習塾が「至れり尽くせり」になっていいのだろうか??
いや!
私は、きたのっ子たちを価値創造のできるセルフモチベーターに育てる!
これが私の志だ。